貫ぬく 光


はじめに ひかりがありました 
ひかりは 哀しかったのです 

ひかりは 
ありと あらゆるものを 
つらぬいて ながれました 
あらゆるものに 息を あたへました 
にんげんのこころも 
ひかりのなかに うまれました 
いつまでも いつまでも 
かなしかれと 祝福れながら 

八木重吉 詩「貫ぬく 光」


萬(よろず)の里(さと)の子と書いて 万里子 と 私に名をつけてくれた祖父を思い出します
わかりやすい言葉と ひらがなを多用する重吉の詩が 温もりと共に 届きますように
清澄な空気を持つ画面にしたい と、藍色の彩煙墨を用いました