春の嵐


かなしみのせかいをば
一歩もいでぬわたしであるゆえ
わたしのうたはただしいかもしれない
かなしみをほこるのではない
よろこびがほんとうにくるならば
よろこびを空気のようにすうていきよう
きょうはかなしみの日であるゆえ
そうであるゆえかなしみの詩をうたうのだ

八木重吉 詩

春の嵐を伴って迎えた 3・11 
今を生きる被災者の方々を思うほど
言葉は遠のきます
犠牲となられた多くの御魂に
どうか安らかであられますよう
手を合わせ祈ることしかできませんが
自分なりの鎮魂の揮毫です
万里子拝