作品ご紹介


まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に人こひ初めしはじめなり

わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰(た)が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

島崎藤村 「初恋」

この地に生まれ 学生時代は暗唱していた「初恋」
来月の個展に出させていただきます
どうぞよろしくお願いします
作品サイズ 79cm×45cm

ありがとうございます